「夢彩ちゃん....ね。」
おっけ覚えた、と相井は言ってにこっと人懐こい笑顔を見せた。
「にしても、還さんとどーゆー?」
すると銀色の髪の推川がそう言う。
「........」
どーゆーっていわれても、私が居候してるだけだし.......。
それをこいつらに言う必要あるのか?
それにこれはあまり人に言わない、と還と約束をしてある。
そんなペラペラ話せるわけがない。
「......ふぅ.....弱ったなぁ」
推川はそう言ってため息を吐く。
「ねぇ、立ってちゃ疲れるでしょ?
ここ座りなよ」
そう言って相井は自分の座っているソファの隣をぽんぽんと叩く。
.........きっと私はわかりやすく嫌な顔をしていただろう。
そんな私をお構いなく、相井は立ち上がり私の腕をとろうとした。
「.......やっ.......」
私はそう小さく叫ぶと、来城だっけ。
紫色の髪毛の人のところに隠れた。
「.........え、えぇ!?」
「そうきたか.......」
相井と推川はそうあっけらかんと間抜けな顔をして言う。
「.........」
来城は私の目をしばらくじっと見ると、隣をぽんぽんと叩いた。
私はおとなしく座る。
「なんで葉月......」
「なついてくれない........」
そう言って相井は自分が座っていたところにもどり、推川はがっくりとした。
........来城は女嫌いなのに。
なんだかこの中で1番落ち着く。
男嫌いセンサーのようなものが反応しない。
.......まさか
「.......男だから」
私は驚いて来城を見る。
来城は私を静かに見ていた。
.......こいつはエスパーなのかもしれない。
そのとき丁度、還と藍島が戻ってきた。
「お。夢彩。やっぱ葉月になついたか」
「還さん!俺たちには懐いてくれないんです!」
「俺なんて逃げられた!」
還が戻ってくると私たちのこの様子をわかっていたかのように言う。
推川と相井は、泣き目でそんなことを言っている。
.......やかましい。


