「還...」
「お。おつかれ」
朝ごはんを作っていたらしい還は私の頭を撫でる。
大嫌いなお風呂に入った後はいつもこうしてくれてた。
.....覚えてくれてた。
「朝ごはん。食べるだろ?」
私はこくんと頷き、イスに座る。
「ほら」
すると還は私の前に朝ごはんののったお皿をだす。
「...いただきます」
私が食べ始めると、還も私の前に座り同じものを食べ始めた。
「...おいしい」
私はそう、呟くように言ったが還には聞こえてたらしく「そっか」と嬉しそうに言った。
あ....そういえば。
昨日の夜中、あった男......
なんだっけ....えっと........
あい.....しゅ......?
あ!
藍島柊だ。
あいつは何者だ?
「ねぇ還」
「ん?」
還なら知っているかもしれない。
「藍島柊って、知ってる?」
「....藍島........乱舞のことか?」
乱舞...?
私が頭の上に「?」を浮かべていると還は頭をがしがしと掻いた。
「そいつがどうかしたのか?」
「昨日の夜中、会った。」
「はぁ?」
そして私は夜中の出来事を全て話した。
「なるほどな。
お前どこで倒れてんだよ....」
還は呆れたような顔で言う。
「私も記憶なかった」
「はいはい。
....にしても、少し気になるな」
あ、還も?
「よし、今日行ってみるか。」
「へ?」
「乱舞」
.........ていうか
「....乱舞って何」
乱舞って何?
よくわからない...
「あー....」
そうか、と還は言う。
「行けばわかるよ。...多分」
還は曖昧な事を言ってご飯を食べ進めた。
ので私もよくわからないがご飯を食べ進めた。