「愛優先輩っ...!!」
「愛優ちゃん!!」
そこには、焦ったような顔の志田くんと
心配そうな咲良ちゃんがいた。
「な、なんだっ...」
よかった...助かった。
ホッとしたのか、急に涙が溢れてきた。
「あんたたちは客でも何でもないわ。
警察に電話するから。
言っとくけど、
愛優ちゃんにこんなことしてタダで済むと思わないでよ」
そういうと、咲良ちゃんは言葉通り
携帯電話で電話をかけていた。
男たちは何も言えずに、ただ黙って座っている。
「愛優先輩っ...!!」
志田くんは私の方に駆け寄ってきた。
その顔は見たことないほど悲しい表情で...
心配してくれてたんだと思った。
でも、私の恐怖は消えなくて
震えが止まらなかった。
「愛優先輩...」
そういって志田くんは、
外されたボタンを戻そうとしてくれたけど
「や、...!!」
反射的に手を払ってしまった。
「あ、...すみません」
志田くんはとても切ない顔して私に謝った。
志田くんは何も悪くないのに...



