彩ちゃんは特別なんだろう。
女嫌いな人達とデレデレになるくらいだし。
今のうちに電話借りよう。
「戸村さん、電話借りれますか」
「携帯無くしてしまったんですか?」
普通そうなるよね…
「えっと…スマホとか持つ必要性が無くて…」
正直に話すと、戸村さんは驚きで目を大きく開けていた。
「マジかっ…」
今時の子が持ってないなんてみたいなリアクションをされ、流石に地味に傷付く。
「陽鉈!ちょっと出るから‼︎」
なんて、私のケータイ持ってないので驚き過ぎて敬語がまた崩れていた。
家を出るということはどこかに出掛けるのだろうか?
「何処に行くの?」
「立花さんスマホ持ってねぇから買いに行く」
またドン引きされ、またさすがに傷付く。
持ってなくてもいいじゃん!
「お姉ちゃんだあれ?」
可愛い顔をした女の子が顔を出した。
「初めまして、ここで働くことなった立花 唄です」
そういうと、嫌そうな顔をした。
不思議に思っていると、陽鉈が口を開いた。
「彩は前のメイド達に裏でいじめられてたんだよ」
なんて悪趣味な人達だろう、ここで働く…というところに彩ちゃんはきっと不安を抱いたのかもしれない。
いじめ…それは私が1番よく知っている。
私は彩ちゃんに近づいて靴下を脱いだ。
靴下を履かなくてもいいと、戸村さんに言われたけど、いじめでおった傷を隠すために履いていたのを脱いだ。
彩ちゃん以外見えないように。
「彩様…見て私も、いじめられていました」
「お姉ちゃんも?」
「はい、だから彩様のお気持ちはわかります。だから彩様の傷付くことはいたしません」
そう言って小指を出すと、首をかしげていた。
「彩様も、小指を出してください、約束します、彩様を傷付けないとその約束を必ず守るおまじないです」
そういうと興味を示したのか恐る恐る小指を出す彩ちゃん。
それを見たみんなは不思議そうに見つめていた。
さすが金持ち…指切りげんまんも知らないのか。
彩ちゃんの小指に私の小指を絡める。
「ゆびきりげんまん、嘘ついたら針千本のーむ指切った」
本当は、針千本飲ますだけどそれは約束させる方が言うから言い方を無理やり変えてみた。


