満月の夜には

「………着きました」


車は止まり、運転手さんはそう告げる

さっきの大きなお家に戻ってきていた



「姫ってことは、お前この家に住むの?」


ハジメが私のバックを自然に持ちながら、そう言う


「………うん、荷物とか全部ジュンが買ってくれたの」


私がそう言うと、ハジメは少しだけ目を見開いた


「ジュンも本気なんだな」


ハジメがそう呟いたことは、私にはわからなかった