満月の夜には



「……………怖くなったか?」


車に戻ると、ジュンは私の顔を覗き込んできた



怖くないわけない

ジュン、ジュンって呼び捨てで呼んでた相手は神無月組の若頭で、のこのこついて行った先が神無月組の本家だったなんて…



神無月組の若頭……

そんな立場に居たとしても、ジュンはジュンだ

あの日熱があった私を拾ってくれたジュン

こんな私を救いたいと言ったジュン



「………全然」


私がそう言うと、少しだけ驚いた顔をして


「………そうか」


笑みを浮かべた