満月の夜には

「………俺はこいつを救いたいと思っている」


静かな部屋に、ジュンの言葉だけが残る


「俺は賛成だね」

「……うん、僕も手伝う」

「俺にも頼れよな!」


カナタ、イク、ハジメの声


「………ふっ」


ジュンは少し笑うと、私を開放した


優しく目尻を下げるカナタ

にっこり可愛い笑顔のイク

歯を見せて笑うハジメ


………みんな、ありがとう

ジュンの言葉だけで、私を認めてくれたみんな


それだけで私は十分救われた

………いつか、私も救えたらな


なんて、私らしくない言葉が浮かんだ