満月の夜には

「………ジュンが、決めたんでしょ?」

「…ああ」

「……じゃあ、仕方ないね」


よろしくねと手を伸ばされる

私もよろしくと手を握った



……仕方ないね

きっとイクは私が行くことを快く思ってない

それから、ハジメも…


出会ったばかりの私を信用する気はないのか、反対する程危ない所なのか、

分からないけど……





「……ミズキ」


低く甘みを含んだ声

ジュンに手を引かれ、リビングに向かうとソファに座らされた


「……今も、殺してほしいと思ってるか?」


まっすぐな視線が私を捉える



少し前──

私が熱を出していた時に言ったこと



『…………………ふざけんな』


あの声はジュンだったんだ