満月の夜には

満足げなジュン

………こいつからかったな?



「はい、遊んでないで降りてー」


カナタのそんな声で私とジュンの静かな睨み合いは終わった






「化粧品、ないと困るよね?」



高校生が入るには少し勇気が必要な高級デパートの前に止められた車から降りると、カナタはそう言った


「お金は気にしないで。ジュンが勝手に払ってるだけだから」


ふっと笑うその横顔

カナタってイケメンなのにお金持ちでその上、面倒見が良い……

相当女の子に人気ありそう…