満月の夜には

「じゃあ、次行こっか」


カナタは涼しげにそう言う

………カナタってお坊っちゃまだったのね



「ジュン……お金出させてごめんね」


これは本当に申し訳ない

軽く50着はあるだろう私の服

全部でいくらしたのかなんて、考えるだけで寒気がする



「………身体で払えよ」


どこか意識が飛んでいた私は、素直にこくんと頷いて───

は?今なんて……



気づいた時はもう遅い



徐々に近づいてくる整った顔

軽く上にあげられた色気のある唇



「…………っ」


ジュンの色気にくらくらしてきた…



「…………冗談だ」