満月の夜には

「………無理するな。」



ジュンは携帯から一瞬だけ私を見ると、そう呟いた

無理なんて、してないよ…?



「………外部には既に情報がまわり始めている。

水無月を本気で狙ってる奴等は、明日にでも動き始めるだろう」



その言葉に、イクはごめんなさい、と小さく呟く



「いや、中途半端にするよりはずっと良い。

その代わり、絶対ミズキから目を離すな。」



ジュンは厳しい顔つきでそう言い切る

……私は、守ってもらうに値する人間なのかな



一度芽生えてしまった不安がこれから私を苦しめることとなることに、

まだ気づいていなかった