満月の夜には

「……イチノセ、ミズキです。

私は“姫"というキャラではないし、

街では色々な噂が飛び交っていることも知っています。


………それでも、みなさんの仲間になりたいと思っています。


今はまだ受け入れられない人もいるかもしれませんが、

受け入れてもらえる日まで頑張ります。


よろしくお願いします。」



出来るだけ、気持ちが伝わるように深く頭を下げる

こんなに大勢の人の注目を浴びたことなんてなかったから、鼓動は速く落ち着かない



再び顔を上げた時、

みんなの顔は照明のせいかほんのり赤く見えた



「……ミズキらしいな」

「俺もそう思った」

「……ミズキ、かっこいい」



後ろでは、ハジメ、カナタ、イクの声がした



「………お前等、俺の女に手出すなよ」



ジュンはそう言い捨てると私の肩を抱いて、奥の部屋へと連れて行った