満月の夜には

ジュンの一言によって静まり返った室内を、私達は2階へと登っていく



「………今日は突然集まらせてすまない。

水無月全員に知って欲しいことがある」



ジュンの瞳は、一人一人の顔を捉えているように見える



「……イチノセミズキを俺達の姫にしたいと思っている。

異議のある奴はいるか?」



ざっと見ただけで100人を優に超える人々の中、ジュンの声に反応する人はいない

………賛成ってこと?



「……全員一致だな。

ミズキ、一言挨拶しろ」



ジュンの言葉と共に、カナタに優しく背中を押される