満月の夜には

「ま、まさか、ジュンさんの女…?!」

「重大発表ってこの事か?!」

「やべえ、すっげえ美女……」



あちこちから挨拶に混じってそんな声が聞こえて来る

ジュンにも、その声が聞こえたのか



「……俺の女見るんじゃねえ」



そんな無茶苦茶なことを口にした

決して大きな声ではないのに良く通ったその声は、周りの喧騒を一瞬で鎮めた