満月の夜には

ジュンには、

“俺の近くに居たいなら姫になれ"

って言われただけで、私もそれに頷いちゃって…



「……ジュンがベタ惚れなのは知ってたけど、ミズキも同じだったんだ…」


イクは呆れ顔でそう言うと、



「姫はね、僕達水無月の大切な人、

守らなきゃいけない人ってことだよ」


と、教えてくれた

……守らなきゃいけない人か…



「今日の夜、正式に姫として発表するだろうな」


「………ごめん、発表の前に外部に漏らしちゃった」



ハジメとイクは何かひそひそ話している



「……とりあえず、家に戻るか」


いつの間にか始まった一限目をさぼって、

ハジメのバイクで家に戻ることになった