ただお前を愛してる。⒉



俺は家に帰った。





ミユのいない家に。







失ってはじめて気づいたんだ






お前のいない部屋はこんなにも暗いってことを。






俺はお前が全てだった。






いや、今も全てだよ。






ミユが俺の世界の中心だったんだ。






会いたい







会って抱きしめたい。








俺は家にはほとんど帰っていなかった。






だっていても辛いだけだ。









ミユとの思い出が多すぎる








どこもかしこもミユで埋め尽くされている






こんなにもミユの存在は俺にとって大きいんだって改めて気付かされたよ。







ん……?







なんだこれ手紙?








〝レイへ〟







〝ミユより〟








レイ「ミユ……?」






パラッ






レイへ






急に出ていくことを許してください。







レイは私が出ていくって気づいてたんだね






だから私にいなくなんなよ?って言ったんでしょ?






でも、ごめんね。








私、もうレイの隣にはいれない。












レイは私のこと忘れて
別の好きな人と幸せになってください。






私の荷物、そのままでごめんね。






処分してくれていいから。






結婚してくれって言ってくれた時本当に嬉しかった。






人生で1番嬉しかったよ。





レイ「じゃあ、なんでだよ……」





でもね、私もじゃダメなんだって






もう私はあなたのそばにはいれない。






こんな自分勝手な私を許してください。






ううん、許さないでいい。







私のこと嫌いになって。




レイ「嫌いになんてなるわけねぇ。
なれるわけないだろ……」






レイ、私、結婚指輪とハートのネックレス持っていっていいかな?






一生大切にするから。






あなたのこと忘れないために持っていきたいの。





レイ「俺のこと嫌いで出ていったんじゃねぇのかよ……?」







レイのこと愛している。






誰よりも愛している。








だから私はあなたの足でまといになりたくない。






レイ「どーゆーことだよ?
忘れない……?足でまとい……?」








そう言えば最近 ミユは忘れてることが
多かった。






映画のことも





リンのことも






もしかして







記憶がなくなってる……?







いや、そんなわけ……








でも可能性はあるよな……







病院にいるんじゃ……!?






俺はすぐに家を出た。