今日は、いよいよ雨露高校の卒業式である。

僕――根倉 学志(ねくら がくし)には今、

想いを伝えたい女性(ひと)がいるのだ。

大木先生が、

「ガァーーッ」

と訳の分からないことを言ってこぶしを突き上げた時、

僕もあんな風に男らしくなりたいと思った。