花火に見とれていると、

幸せな時間はあっという間で。

すぐに、現実に引き戻されてしまった。

「花火、…終わっちゃったね…。

――帰ろっか。」

私は、平気なふりをして春人に言う。

もうこれで、二度と会えないと、どこかで分かっていたのに。