「何してるのよ?早く行きなさい」


後ろから声をかけてくるのはお母さん。


そしてわたしが今いるのは玄関のドアの前。
まさにドアを開ける瞬間。



「だっだって…!!心の準備がっ!」


そう。
このドアを開けたら瀬南くんがいる。
あの瀬南くんが。


昨日あれだけ喜んどいてなんだけど、いざ冷静に考えてみると緊張MAXの状態になってしまった。




「はぁ?だってもくそもない!はやく行きなさいよ!ほらっ」





「あっ……ちょ!まって!」



何もしらないお母さんがうじうじしてるわたしを無理矢理外へだした。


お、お母さんのバカ!アホ!!!
さ、さいあくだ〜まだ心の準備が出来てないっていうのに。