「ううっ……」



「は!?なに泣いてんだよ」


瀬南くんがびびった顔でわたしをみる。


だって〜…瀬南くんと登校っていう長年の夢がついに叶うんだよ。
ありがとう!!不審者様!!ありがとう!!


まさか不審者にお礼をいう時が来るとは思ってもみなかったよ。




「お前遅刻すんなよ」



家の前でまっとくから、と付け加えて瀬南くんは2階に上がってしまった。



「あ、じゃあわたしもおじゃまします!」


そろそろお母さんから電話かかりそうだし。



「あ!ばいばい!ぜひまた来てね〜」



家に帰るわたしを梨香さんとおばさんは笑顔で見送ってくれた。