その身は凍る

 明かりは点いておらず、窓には青のブラインドが掛かっていた。



 男はほっとしたように、部屋に戻ろうと体を起こそうとした。



 そのときだった。



 ブラインドの一ヶ所が曲がり、暗いはずだが、そこから目が見えた。



 その目は確実に男の顔を捉え、男はすぐさま部屋に駆け込んだ。



 なんだってんだ?!なんで見てんだ?!



 男はパニックを起こしたように電気を点けベッドに飛び乗り、布団を体に巻きつけて体を震わせた。



 なんで?誰だよ、あのおばさん?!



 そんな様子の中、男の耳には違う部屋のドアが開く音と、誰かが階段をゆっくりと上がってくる音が聞こえてきた。       


 近づいてくるその足音は、階段を上りきった辺りで止まった。



 男は生唾を飲んで、息を殺していた。