「そうですね、もう半年も前ですね」

「夫は出版社の少女マンガ部門で働いています」

「結婚式に関してはいつ挙げるかどうかはまだ決まっていないんです」

田ノ下さんはみんなからの質問に丁寧に答えていた。

お酒が入っていると言うこともあってか、彼女の気分はとてもよさそうだ。

その様子を見ていたら、
「企画して大正解でしたね」

ビールを手に持っている一ノ瀬が話しかけてきた。

「そうですね、よかったです」

わたしは返事をすると、カシスオレンジを口に含んだ。

枝豆を口に入れたら、
「えっ、お仕事を辞められるんですか?」

驚いた様子のその声に、わたしはまた視線を向けた。

「もうそろそろで契約が切れるので、これを機に家庭に入ろうかと思いまして。

夫からも家庭に入って欲しいと以前から言われていたので」

質問に答えている田ノ下さんがいた。