恋なんていたしません!

職場の方に戻ると、
「一ノ瀬くんと何を話していたの?」

各務原さんに聞かれた。

「田ノ下さんのことですよ」

そう答えたわたしに、各務原さんは納得したと言うように首を縦に振った。


「お先に失礼します」

「またよろしく頼むよ」

今日も無事に仕事を終わらせると、タイムカードを押すために事務所へと向かった。

「あっ、野々村さん」

タイムカードを押したところで、一ノ瀬に声をかけられた。

「何ですか?」

何で帰ろうとするところで呼び止められるんだよ…。

「近いうちに田ノ下さんの結婚祝いをしようと思うんですけど、どうですかね?

やりませんか?」

一ノ瀬がそう聞いてきた。