「そんな僕を心配して近寄ってきた女の子たちのことも信じられませんでした。

“きっと彼女たちも僕をアクセサリーとして見ているに違いない”って、そんなことを思っていました」

似たような過去なだけに、わたしは何も答えることができなかった。

「そんな日々を過ごしていたある日のこと、読んでいた雑誌にフィギュアの広告があったんです」

一ノ瀬が言った。

「フィギュアなんて子供っぽいなと今までの僕は思っていました。

でもその当時の僕はそれがとても魅力的に思えて…魅力的と言っても、美少女系のフィギュアじゃないですよ?

種類に関してはまた別の機会に語るとして、衝動に任せて購入したんです。

それが家に届いて、組み立てた時の感動と言ったら、まさになかったですよ」

その当時のことを思い出したのか、一ノ瀬はとても興奮していた。