恋なんていたしません!

それにしても、本当にすごいな。

フィギュアのことについては詳しくないからよくわからないけれど、誰もがよく知っているものからレアもの、さらにはマイナーなものまでがそろっていた。

「これ、全部集めたのかな…?」

だとしたら、ものすごい金がかかったんじゃないだろうか。

そう思っていたら、
「だいたいはネットで買ったり、自分で作ったりしているんですよ」

後ろから声をかけられたので、わたしは振り向いた。

「どうぞ」

一ノ瀬がコップに入ったお茶を差し出してきたので、
「ありがとうございます」

わたしは受け取ると、床のうえに腰を下ろした。

一ノ瀬もわたしの隣に腰を下ろしてきた。

「いつから集めているんですか?」

たくさんのフィギュアを見回しながら、わたしは一ノ瀬に質問をした。