ひどい結末を迎えた失恋をして、自分が何をやっているのかわからないと言う廃人のような日々を過ごしていたわたしが出会ったのは、乙女ゲームだった。

乙女ゲームに出会えたおかげで、わたしは立ち直れたのだ。

ゲームの中のイケメンたちのおかげで、わたしは救われたのだ。

もし出会っていなかったら、わたしは廃人のままで人生を歩んでいたことだろう。

ヘタしたら、自殺をしていたかも知れない。

イケメンの彼らが現実にいないのは寂しいけれど、それでもわたしは彼らを命の恩人として深く感謝している。

立ち直るきっかけを与えてくれた乙女ゲームにもまた深く感謝している。

もしかしたら世の中には、わたしのように乙女ゲームやその中に登場するイケメンたちに救われた人だっているかも知れない。

「テメーの気持ちなんてわかりたくもなければ関わりたくもないんだよ」

フンと呟いた後、残りを押し込むように次々と口に入れた。