恋なんていたしません!

「少しだけでいいのでお邪魔してもよろしいですか?

おすすめしたいりんごの料理があるんです」

さらに返ってきたとんでもない答えに、わたしは絶句するしか他がなかった。

「いやー、ちょっと無理ですかね…」

アハハと乾いた笑い方をしながら、わたしは言い返した。

お邪魔してもよろしいですかって無理に決まってんだろうが、コラ。

おすすめしたいりんごの料理があるって知らねーよ、コラ。

お邪魔するくらいならりんごをつき返してやるわ、コラ。

「部屋が散らかっているので無理と言うか…」

呟くように言い返したわたしに、
「別に構いませんよ」

一ノ瀬が返事をした。

いや、あなたがよくてもわたしが嫌なんだよ!

って言うか、空気読めよ!