恋なんていたしません!

「あ、ありがとうございます…」

わたしはお礼を言うと、一ノ瀬の手から袋を受け取った。

まあいいか、りんごに罪はない。

罪もなければ恨みもないからちゃんと受け取ることにしよう。

しかし、これだけのりんごをどうしようかな?

普段から外食で済ませているのであまり料理をしないのだ。

「野々村さん、明日休みですか?」

そう思っていたら、一ノ瀬が声をかけてきた。

「えっ、休みですけど?」

だから何だと言うのだろうか?

一ノ瀬の答えを待っていたら、
「僕も明日休みなんですよ」
と、彼の口からとんでもない答えが返ってきた。

…はい?

こいつも明日から休み、だと…?

手から袋が落ちそうになったが、何とかこらえた。