スマートフォンの画面に表示されている時計に視線を向けると、9時になろうとしていた。

こんな時間に誰がきたのかしら?

そう思って玄関に向かおうとしたけれど、
「やめとこ」

無視を決め込むことにした。

もしかしたら、また一ノ瀬と言う可能性がある。

この間はそのせいで悪夢にうなされることになったんだ。

今度は絶対に出ないぞ。

ピンポーンと、またチャイムが鳴ったけど無視することにした。

もう出ないことがわかったら帰ることだろう。

そう思っていたら、コトン…とポストに何かが入った音がした。

一ノ瀬じゃなくて大家さんだったのかな?

玄関に顔を出すと、何かが落ちていた。