恋なんていたしません!

「田ノ下さん、もう帰っていいよ」

掃除を終え、ゴミ出しを済ませた田ノ下さんにわたしは声をかけた。

「わかりました。

では、お先に失礼します」

「はい、お疲れ様です」

いつもの塩対応ぶりであいさつをした田ノ下さんは立ち去った。

今日は邪魔者である伊勢谷さんはいない。

店先に不足している商品がないかの確認を済ませると、足りないトレイを全部出した。

よし、これでいいな。

「わたしも帰ろうっと」

うーんと両腕をあげて伸びをすると、わたしもその場から立ち去った。

食堂にいる各務原さんにあいさつをすると、タイムカードがある事務所へと足を向かわせた。