恋なんていたしません!

「お前が好きだ」

「君が望むなら、全てを捨ててもいい」

「俺はお前しかいらないから」

イケメンの口から次々と出てくるそのセリフに、わたしは画面に釘づけになった。

「――『運命の恋をしよう』で、検索」

テレビの画面がクイズ番組に変わったその瞬間、わたしはテーブルのうえに置いていたスマートフォンを手に取った。

『運命の恋をしよう』で検索にかけると、すぐにヒットした。

アプリゲームだった。

ゲームはやったこともなければ興味がないわたしだったけれども、さっきのCМの影響かとても気になってすぐにインストールをした。

まあ、いいか。

どうせ無料だし、自分にあわないなと思ったら削除すればいいだけの話だ。

そう思いながらわたしはゲームを始めた。