恋なんていたしません!

「僕たちは友達…もしくは、パートナーの方がいいかも知れませんね。

夫婦だと一緒に人生を添い遂げないといけない責任がありますでしょう?

でもパートナーだったら楽と言うか…うーん、何と言えばいいんでしょうか」

そうか、パートナーか。

考え込んでしまった一ノ瀬の様子に、わたしは思った。

「そうですね、パートナーですね」

そう言ったわたしに、
「うん、パートナーです」

一ノ瀬が笑ったので、わたしも一緒になって笑った。

「やっぱり、まだまだ恋には無縁みたいですね」

「結局は楽しかったらそれでいいですね」

「そうそう、人生は生きてるだけで丸儲けですから」

一ノ瀬は人差し指と親指でお金のマークを作った。

「それ、パクリですよね?」

わたしたちは一緒になって笑いあいながら青空の下を歩いた。

☆★END☆★