「まぁ、なかなかそれはそれは可愛くてな。

普段リアルしか見ない俺はかなり楽しくなって、まぁ、色々話てたんだけど、時間も時間だから、そのままお持ち帰りって訳だ。」



「さすがに頭も冷えてきたら、一言二言は説教しないとな。あんな飲んで、俺じゃなかったら確実にアウトだろうし。」


……。

いや、


あなたでも、

ってか、

あなたは、より一層、

かなりの勢いでアウトなのよ……


「……わかりました。とにかく、色々ご迷惑かけました。楽しい奴と思い出に残れば十分です。では、あー。女将さんにもよろしく?お伝え下さい。では。」



「おい。俺のプロポーズはどこいったんだ?」

あ、

あー。そうだった。

すっかり飛んでた。



「いや、あー、持ち帰りの理由は分かったんですけど、とにかく、それで結婚は意味わかりません。他の方とどうぞ。」


そーだよ。

他の女がいるんだから、
そっちとすればいい。

女将さんが何を思おうが、
こいつは楽しくやってんだから。



「お前が見たの姉貴だから(笑)おばさんからわざわざ聞いたらしくてな。持ち帰ったのか、どうしたのか、散々問い詰められた(笑)」



!?

「で、俺は今本当に女はいない。まぁ、おばさんも仕事ばっかしてる俺を気にかけて、そーなった訳だしな。」

「……」


「で?」


「……」


「桜のヤキモチの回答はしたはずだけど?」

「ヤキモチじゃない!!!」

目線を合わせたくなくて、
勢い良く、下を向く。