そりゃ、

そーですよね。

普通の神経なら、
そんな事ありえないわ。

私って、
本当、馬鹿というか、マヌケというか。

そんな自分が嫌になる。



「そんな事より「RRR~」

成嶋と、彼の携帯の音が重なる。

携帯の着信を見て、
少しだけ、顔が曇る。

……仕事、かな。


「もしもし、あー。いや。大丈夫だけど。」


人の電話を聞くのも
良くないと思って、一度洗面所に行き、
顔や歯磨きをして、戻ってみると、

もう電話は終わっていた。

ソファの上で、
ため息を少しつきながら、

「ごめん、ちょっと出掛けてくる。」

「あ、はい。」

「布団……俺帰り買ってくるよ。」

そう言ったので、

「いやいや、私買うので!!」

「布団買ってお前持って帰って来れんの?配送にしたら今日来るかわかんねーよ?」

ごもっとも……。
でも……



「気にすんな。来客用に俺が買う。一つあっても困んないだろ?」

そう言ってソファから、
立ち上がり、私の前にきて、頭を、撫でる。

「///」

「お前、朝からそんな可愛い顔してると、俺じゃなきゃ食われるぞ(笑)」

そう言って笑う顔が
やっぱり綺麗で……。




「……御夕飯、要りますか?要るなら作っておきます。」

ダメだ……

「ん。そんな時間かかんないから、また夕方一緒に買い物行くか。若奥様(笑)」


ダメ。


「違います。」

「はは。出掛けるなら戸締りしろよ。んじゃ、ちょっと急ぐわ。」

そう言って、飲みかけのコーヒーをキッチンに戻し、
出掛けて行った。