刺激の強すぎたお持ちかえり 【完】

そもそも、
恋愛経験だって、この歳で私1人しかない訳で。

しかも
その相手とは
遠距離恋愛になってすぐ振られたしさ。


こんな風に
自分から、何かを言うとか……

本当に慣れてなくて。



そう言って下を向く私に、
成嶋は淡々と言葉を続ける。


「お前さ、そもそもなんで家探してんの?」

「……は?」


いや、
寮出なきゃいけないからですけど?

言わなくてもわかるだろと言う顔で見れば




「知ってるっての。」

「えっと、じゃ、なぜ?ってのは?」

「いや、別にいいや。まぁ、仕方ないよな。」



そう言って、またため息をつきながら、
またビールを飲み出す成嶋。