「もうすぐ3年経つの。あたしそろそろ前向いて歩き出さなきゃ。」 透麻だって前に歩めって…… あの時はよくわからなかった。 今だったらわかる。 生きていたら透麻は20歳。 「由依(ユイ)、俺らでも知ったらダメなことってあるんだ。だから今は里依を前向かせてやろう。前を向けていないのは俺らぐらいだよ。」 お父さん……ありがとう。 「行ってきます。」