洗濯機がピロピロリンと音を立てた。
蓋を開けると、私と誠司さんが複雑に絡み合っていて、なんだか愛の形を表しているように見えた。
これが夫婦の形であって、これを毎朝見ることで、主婦は今日一日を幸せに、前向きに頑張れるんじゃないだろうか。
ベランダで洗濯物を干しながら、今日の夕飯は何を作ってあげようか考えた。
誠司さんはああは言っていたけど、何だかこうして主婦のようなことをしていると、クタクタに疲れて帰ってくる夫をねぎらいたくなった。
今まで私にしてきたこと、編集長に曝け出してくれた気持ち、そして、ギャップのある可愛さ……。
いい。こういう人と一緒になれたらどんなにいいだろう。
よし。作ろう。誠司さんは骨付き肉が好きだから、手羽先のから揚げか、フライドチキンか、スペアリブの角煮なんてのもいい。



