うっせえよ!






誠司さんを送り出した私は、綺麗に飲み干されたコーヒーカップを洗い、それからシャワーを浴びた。



夏の朝のシャワーを浴びながら、そういえば昨日、ここで誠司さんが身体を洗ったんだということに気づき、変に意識してしまって、のぼせそうになった。



早めに浴室から出て、着替えを済ませると洗濯機を回した。誠司さんのカッターシャツ、誠司さんの靴下、誠司さんの下着……。



思わずカッターシャツをクンクンと嗅いでみた。悪いとは思ったけど、家賃代わりだと思えば、その罪悪感も薄れた。



いい匂い。お日様に干したような匂いでもなく、柔軟剤の匂いでもない。自然由来のもので、卸したての化学繊維の匂いに混ざって、汗の匂いがした。



汗には許せるタイプのものと、許せないタイプの匂いがある。このカッターシャツは許せるタイプどころかむしろ、私好みの匂いで、異常かもしれないけど、ずっと嗅いでいられる。



カッターシャツに別れを告げて、洗濯槽に放り込んだ。私の洗い物と誠司さんの洗い物が今、一つになって水が注がれる。洗剤をサラサラと入れて、蓋を閉めた。