簡単なことだ。
「連載会議に回さずに、次のチャンスに懸けます。」
「その通り。でもそれがどういうことを意味するかはわかるわよね?」
「彼女の連載は少なくとも年内はないでしょう。」
つまり、こういうことだ。
連載会議で打ち切りが決定しても、作品としては完成させなければ、ならない。そのため、打ち切りになった作家には、最低でも2回分の掲載を認められる。この2回の掲載で、作品を完結させるわけだ。
つまり、その2回分の連載、日にちで言うと2か月待たなければならない。契約作家ならまだしも、私のようなフリー作家は原稿料も高い。
それなら年間契約を結んでいて、且つその時点で連載をしていない作家の作品を連載させるほうが経済的。
新人はどんどん出てくるし、このままだと私は働き口を一つ、失うことにもなりかねない。



