「で、どうする? その原稿、連載会議に回す?」
「いえ、結構。」
「でしょうね。そう言うだろうと思ってシュレッダーにかけなおしておいたわ。」
うわー、柏原班お気の毒……。
「でも、どうするよ? このままだとりんちゃん、原稿落としちゃうよ? まあ、差し替えは利くけど、どうする?」
「……最悪、お願いすることになるかもしれません。」
「あーあ、無遅刻無欠席の皆勤賞、おまけにどんなサボり癖のある作家からも原稿を取ってくる完璧まことちゃんもこれまでか。」
「嫌なこと言いますね。」
「冗談よ。まことちゃんは真面目すぎなのよ。有給もまともにとってくれないし、ついでにまとめて休みとっちゃえば? 旅行に行くとか。温泉がいいわね……あ! 一緒に行く?」
「勘弁してくださいよ……。」
なるほど。あの真面目一徹の誠司さんも、三村さんを前にすると形無しらしい。



