「それで、またりんちゃんの原稿をシュレッダーにかけたんだってね。困るのよねえ、まことちゃん。そういうことされると。居合わせた持ち込みの子が泣きそうな顔してたらしいわよ?」
「作家にとって駄作を世に残すことは死ぬのと同じくらい恥ずかしいことなんです。」
この言葉にはちょっと感動した。
「でも、あの新連載の原稿、あとでまことちゃんの班の子たち使って復元させたけど、なかなかいい話だったわよ? 恋愛要素もあって、昔からのりんちゃんファンにとっては、喜ばしいことじゃないかしら。ハンバーグにサラダがついてくるって感じ?」
復元!?
「復元!?」
あ、かぶった。
「もしかしてあれを全部つなぎ合わせたんですか? 他の書類とかも入ってたんですよ?」
「まあね。完成するまで家に帰さない。帰った者は実家にまで押しかけるって脅したからね。恨むなら短気でイマドキ流行らない熱血チーフを恨みなさいって言っておいたわ。」
わーお、編集長こわーい。



