「どう? まことちゃん。順調?」
三村さんは誠司さんのことを「まことちゃん」と呼んだ。
「ええ。まあ、約一名を除いてですが……。」
これは私のことらしい。
「大丈夫よ。りんちゃんはああ見えて、人間のドロドロとしたものを人一倍持っているんだから、ちょっとテコ入れすれば、吐き気がするようなものが書けるはずよ。」
「まあ、あいつなら殺人を犯しても『やっぱりな。』で終わりそうですしね。」
大きなお世話だ。ってか、あんたら、ちょっとは作家を敬え!
「どうせなら誰か殺させてみる? 私の知り合いのこわーいお兄さんたちに頼めば、後処理も含めて、拳銃くらいぶっ放させてもらえるかもよ?」
「それはいい考えですね! できれば、あいつ諸共、東京湾に沈めてもらいませんか?」
うっせえよ!



