うっせえよ!






とりあえず、ゴミをかき分け、外へ出て、アパートの下にあった自販機でミネラルウォーターを2本買い、そのうちの1本を誠司さんに渡した。



「ああ、すまない。」



と「考える人」の彫刻のような格好でミネラルウォーターを受け取った誠司さんは、勢いよく飲み、そして、動きが一瞬止まり、盛大にマーライオンした。



「わっ! ちょ! 誠司さん!?」



「やばい。俺は死ぬのかもしれない……。」



慌ててぞうきんらしきものを持ってきて、マーライオンの聖水を片付ける。こんなことしたくないから頑張って売れたのに……。



すっかり弱気になった誠司さんは、遺書のようなものを書き始めた。二日酔いのせいか、もうどうでもいい。つっこむ気力もないし、かと言って、このまま誠司さんを一人置いて帰るのも心配だ。



藤原を派遣しよう。すべて藤原に任せよう。そう決め込んだ。