うっせえよ!






後続車のアクセルの踏み違いで、私の乗っていたタクシーに追突した。



幸い、私も運転手も、後続車の運転手も軽症で済んだ。



初めは、意識が朦朧としていたが、救急車のサイレンが聴こえてくると、徐々に回復し、救急車に乗せられるときには、救急隊員にはっきり受け答えができるようにまでなっていた。



お医者さんからは、



「腰を強く打っただけで、頭にも異常はないと思いますが、血圧が低いのが気になります。まあ、ベッドも空いてますし、2、3日入院するのがいいでしょう。」



と言われて、病室に移され、入院中の説明を看護婦から受け、痛み止めの点滴でウトウトしていたところに、こうして誠司さんが飛び込んできた。



「というわけです。理解できましたか?」



「ああ。」



誠司さんは何度も、何度も頷いた。



赤ベコのようだった。