そんな男に惚れてしまったのだからしょうがない。
断捨離を続けていくうちに、どんどんやましいものが出てくる。
その都度、追及すると、やれ「妹へのプレゼント」だとか、「藤原から借りたDVD」だとか。
ナース服が出てきたときにはさすがに引いた。
「いや、これは友人の結婚式の余興で使ったんだ。」
ほほお。そうかそうか。
「なら、私たちの結婚式の余興で着てくれますよね?」
「へ?」
「着たんでしょ? 私見たいなあ、誠司さんのナース服姿。」
「あ、いやでも……。」
「あ、いやでも……ですか。じゃあ、私が着てもいいですか? お色直しにナース服姿。斬新でいいと思いませんか?」
誠司さんは黙った。
大方、これは昔付き合っていた彼女かなんかに着せたんだろう。
気持ち悪い趣味しやがって。ホント、こんな男のどこがいいんだろう。
もちろん、ナース服は捨てた。



