「あれ? このネックレスは?」
「あ……いや、これはだな……プレゼント! そう、りんちゃん。キミへのプレゼントだよ! ファーザークリスマス♪」
「あ、いや、まだクリスマスには程遠いですけどが?」
「じゃあ、ハロウィーンだ。ハッピーハロウィーン。トリックオアトリート!」
「いや、ハロウィーンってそんな行事じゃないですけどが?」
「じゃあ……誕生日プレゼントフォーユー!」
まったく……。
「誠司さん。一体、ホステスにいくら貢いでんですか! そんなお金があったら少しは切り詰めて、貯金するとか、そういう考えには至らないんですか?」
「金は使うためにあるんだ。経済も潤うだろう? 落としていかないと。」
それならふるさと納税するとか、地方の観光に使うとか、団体に寄付するとか。
そういう考えには至らないのだろうか。
至らないのだろう。口ではいいことを言っているが、結局ただの女好きなのだ。



