20枚入り45リットルのゴミ袋を持ってきたのだが、それだけじゃとても足りそうにない。
断捨離。なんて生易しいものじゃない。私からすればあるものすべてゴミに見えるのだが、誠司さんに一つ一つ確認を取らなければいけない。
「この靴下は?」
「ああ、これは捨てていい。」
「では、この袋の開いてない即席めんは?」
「賞味期限は……ああ、2ヵ月オーバーか。これならまだ食えるから……。」
「捨てます。それと、このロレックスの箱は?」
「これは取っておこう。俺の初給料で買ったものだし。」
なるほど、それは大事だ……ん!?
「初給料?」
「ああ。」
「ロレックスがですか?」
「な、なんだよ?」
私にはすぐわかった。
こいつ、嘘をついている。



