「あら~誠司くん。待っとったよ!」
青い屋根の倉庫から出てきたエプロン姿でパーマをかけたおばさんが誠司さんに駆け寄って両手を取った。どうやら知り合いらしい。
「ご無沙汰してます、おばさん。」
誠司さんは丁寧にお辞儀して、それから東京バナナをおばさんに渡した。自分で食べるものではなく、お土産だったことがわかった。
「電話で話した通りです。おじさんいます?」
「うちの人? ああ、今倉庫で作業しとるんよ。」
「真珠ですか?」
「そう。真珠。」
話が一向に掴めないまま、誠司さんとおばさんは倉庫に入っていき、その後ろ姿を私は茫然と見ているだけだった。
アウェイ。完全なるアウェイだ。無人島といっても過言ではない。



