うっせえよ!






車は、いつの間にか海沿いを走っていて、それから「Winding Road」とはまさにこのことで、曲がりくねった道を走り、酔いそうになった。



リアス式海岸というらしい。誠司さんが得意げに教えてくれた。



車中の落語が、勘当された若旦那が唐茄子を売る話に変わったころ、ボロく細い路地の坂を下り、やがて見えてきた古い木造の家と、漁船が停泊してあるところで誠司さんは車を停めた。



「これが瀬戸内海だ。」



波はほとんどなく、穏やかな海。それが私の瀬戸内海に対する第一印象だった。



川や湖のようにも見える。でも、この香り。潮の香りが鼻をくすぐって、「ここは海だよ!」と訴えかけてくるように思える香り。



海なんて数えるほどしか行ったことがないのに、だからだろうか、懐かしく感じた。