【BL】好きな人

「奏!」

「美嶺……」

相変わらずの溺愛っぷり(もちろん美嶺が)。

今日も俺を家まで迎えに来てくれている。

「お前なぁ、毎朝迎えにこなくてもいいんだぞ? お前ん
家、俺とは反対方向だろ?」

そう。

後から知ったことだが、美嶺の家は俺と反対方向。

しかも学校までの距離はほぼ同じ。

俺の登校時間に合わせようと思ったら、美嶺は大分早く起きなければならないのだ。

「いいよ、俺がしたいだけだから。お前は気にするな」

「そうは言ったって……」

「お前に早く会いたいんだよ、俺は」

「……~! だからお前はそうやって……///」

愛されているのはもう十分分かったから、いい加減さらっと甘い言葉を吐くのはやめて欲しい。

(ホント、朝から心臓に悪いヤツ……)

なんて思いながらも、嬉しくて強く出ることが出来ない。

そんな俺も、もしかしたら、というか多分自分が思っている以上にアイツを好きなんだろう。

「……もう行くぞ」

「あぁ!」

はじめは「好きになるものか!」と敬遠していたのに……。

いつのまに、こんな風に絆されてしまったのか。

よく分からないけれど、確実に分かるのは……。

俺が、美嶺を好きだということ。

美嶺は俺にとって、大切で、大事にしたい、

「どうかしたか?」

「……何でもねーよ」

好きな人だということ。